健康な睡眠で生産性が上がる
デメント教授の行なったおもしろい研究のひとつが、NBAの米国でかなり強い体育会であるスタンフォード大学の男子バスケットボール選手10人を40日間、毎日10時間ベッドに入れて、それがコートでのパフォーマンスにどう影響するかという調査です。
コート反復80m走のタイムとフリースロー、3ポイントシュートの成功率を毎日記録したところ、40日後には平均で80m走のタイムは0.7秒縮まり、フリースローは0.9本、3ポイントシュートは1.4本も多く入るようになりました。
そして、10時間睡眠をやめたあと、彼らのパフォーマンスは実験前の水準に戻りました。
この研究だけで、スリープヘルスと生産性の関係は説明しきっているとも言えますが、さらに詳しくお伝えします。
長時間労働とスリープヘルス不調
前回のコラム(すなわち、出版した論文)で長時間労働と健康関連リスクを媒介しているのは、スリープヘルス不調ではないかと書きました。
本年7月から、ある企業で、のべ400人ほどの長時間労働面談をしてきました。
毎回、「私は睡眠の専門家なので、あなたの睡眠に対してコメントします」と宣言して、睡眠のコメントをしています。
「睡眠の専門家」と知ると、皆さま、面倒な産業医面談で、少しでも日常生活に役立つ知識を得ようと、意欲的にご質問やご主張をくださいます。
多いのは、「寝だめはできないって本当?」、「昼寝は生産性をあげるのでしょう?」、「僕は平日は4時間睡眠がちょうどいい」というようなものです。
昼寝は次回の「社会的時差ボケ」で解説しますが、他の2つの答えは、今回見つけてください。
どうしても字が多くなってしまうので、今回は、紙芝居的に、イラスト中心でお伝えします!
健康経営視点での日本におけるスリープヘルスによる経済損失については、こちらの動画をご覧下さい。
起きているだけで酔っ払う?
ストレスが高まるほどパフォーマンスが高まることは、既にお伝えしています。
出勤して、どんどんストレスが高まってくるほど、仕事の能率は上がってきます。
出勤直後が一番仕事が捗ることはありません。
ストレスはどんどん高まるので、仕事はすればするほどパフォーマンスが上がってくるのですが、同時に、疲労や睡眠圧が蓄積して、パフォーマンスを落とそうとしていきます。
22時に寝て6時半に起き、8時半から18時まで休憩しながら働くくらいが最もスリープヘルスによいわけを、お伝えしたいと思います。
国レベルで見るスリープヘルス(特に睡眠時間)と生産性
こちらの図はスリープサイクルによるものです。私も毎日使っているスリープヘルスアプリです。
みんなでもう少し眠るだけで、簡単に生産性はあがるかもしれません。
ストレスチェックと同じように、まずは自分のスリープヘルスのレベルを可視化して、スリープヘルス不調の一次予防につなげるとともに、集団分析後の環境改善、ハイリスク者の専門家との面談につなげるスリープチェックをはじめ、生産性に直結する多様な睡眠改善プログラムをご提供できるのは心陽だけです。
大切な財産である従業員の健康と組織の生産性のために、ぜひ、お問い合わせくださいませ。
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