スリープクリニック

私たちの生活に健康な睡眠が必要なわけはかんたん。

よりよい夜の睡眠は、よりよい昼の仕事を約束してくれるから。

2017年、ノーベル医学・生理学賞は時計遺伝子の発見に送られました。生物に特有の概日リズムは最初、オジギソウのような植物から発見され、現在では脊椎動物どころか脳を持たないクラゲさえ、睡眠することがわかっています。

​2012年の脳のお掃除システム、Glymphatic System の発見など、今もなお、睡眠医学の世界には新たな発見が続き、睡眠の神秘が解き明かされ続けています。

​最先端の知見をもとに、心陽のスリープクリニックも進化し続けます。

 

SAS(睡眠時無呼吸症候群)

働く人々の労働生産性向上に特化した医師として最も注目する疾患が睡眠時の呼吸障害です。日本ではSAS(睡眠時無呼吸症候群)の表現が一般的です。閉塞性以外に中枢性の無呼吸があり、治療が異なりますが、ここで話題にするのはOSA(Obstructive Sleep Apnea:閉塞性睡眠時無呼吸)です。必ずしも「太っている人のいびき」の話ではありません。閉経やAGAとも関連する、誰にでもリスクのある疾患です。

OSAの図解と治療によって得られる素晴らしい変化についてわかりやすくまとめてあります。

健康への関心の高い健康オタクな人々は、いつも病態や病因に興味を持ち、よい検査結果を獲得したいようですが、ワクワク楽しく働いて人生を謳歌したい人々にとって、さして重要とは思えません。健康は主観的なものなので、自分のスタイルで希求すればよいですが、医療は明確な科学的エビデンスに基づき、偶然ではない確実な関係でなんらかの疾患や障害のリスクに関係する要因を、安全に排除、低減する手段です。

OSAを放置すると、生物として致命的な2つの実害が蓄積します。

  1. 低酸素状態(酸素が不足し、二酸化炭素が過剰になり、循環器系に大きな負担がかかり続けることによる健康障害)

  2. 睡眠負債(疲労を回復し、記憶を定着し、認知機能を向上安定させる睡眠が不足し続けることによる健康障害)

ガス交換(酸素をとりこみ、二酸化炭素を排出すること)と睡眠は人間の最も本質的な生命活動です。ガス交換と睡眠をスキップして生命活動を維持することは不可能です。

OSAの治療は寿命を10年延伸しますが、OSAの放置で犠牲にする2つの生命活動の重要性を考えれば、納得がいくでしょう。

OSAは健康な人生を楽しむことを邪魔する恐怖の病態です。必ず発見して、治療するべきです。

そう強調する大きな理由は、OSAは副作用なく治療可能で、治療によってOSAによる悪影響を完全にゼロにできるからです。リスクの明らかな疾患や病態は無数にありますが、発見したからといって解決できない疾患が少なくないのは、医師のジレンマです。

しかし、あらゆるリスクに直結し、他の多様なリスク要因を増大させるOSA、SASは簡単に治療可能で、健康な人生を約束してくれるのだから、やりがいがあります。

SASの治療を開始すると、多くの人々の表情が明るくなり、確実に若返ります。

日中の眠気を自覚している人はむしろまれですが、熟睡してみてはじめて日中の処理能力の向上をまざまざと自覚するようです。減量や禁煙のきっかけにする方々も多く、肥満だけが原因の場合は減量で、OSAだけでなく、他の多くの健康リスクから卒業できます。難治性の生活習慣病があっさり解決する場合も多いです。しっかり服薬しても血圧や尿酸値、ヘモグロビンA1cが下がらないなら、疑ってみてください。

​専門家の治療が必要とはいえ、他の生活習慣病、維持的な処方が決定すれば、医療者のスキルは問いません。

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信頼しているかかりつけの先生の仕事に広がりを与えられるのですから、同じ社会人として素晴らしいことですよね。

​動画にもあるように、エネルギーがみなぎり、パフォーマンスが上がり、性生活が改善します。夜中にトイレに起きる理由を前立腺肥大と決めつけている男性は多いですが、OSAのせいかもしれません。いびきがなくても無呼吸がある、いびきがあっても無呼吸がないことがあります。

​治療すれば改善するのですから、運転を生業とする方々こそ、どんどんチェックをして、企業はより安全で生産性の高いサービスを提供するために積極的に治療を支援してください。

 

心陽オリジナルSASリスクチェック

米国ボストン生まれの心陽オリジナルSAS(睡眠時無呼吸症候群)リスクチェック
眠らない人間がいない以上、睡眠衛生の向上は究極のポピュレーションアプローチターゲットです。
睡眠ほど全従業員に関連し、その健康と生産性を左右する因子はありません。

ハイリスク戦略のターゲットとしても、メンタルヘルス不調と生活習慣病の予防と改善効果の高い、SAS・OSAの治療こそ、企業が従業員の健康増進介入として支援するべき重要な疾患であり、症候であると心陽は考えています。

日中の作業効率低下はもちろん、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めて、国民医療費を増大し、個人の生涯生産性を奪うSASは、有害な副作用や侵襲のない物理的な治療が可能な疾患で、その治療により、難治性の高血圧、脂質異常、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病のコントロールが良好になることが科学的に明らかになっています。

「睡眠医療 × 産業保健」の師として、心陽代表の石田が心酔する Stephanos Kales ハーバード大学医学部教授兼ハーバード大学公衆衛生大学院教授が、米国政府の依頼で作成した職業運転手向けのリスクチェックを、日本人に合わせて修正したのが心陽オリジナルリスクチェックです。

2019年第92回産業衛生学会では、心陽代表の石田が、リスクチェックの精度と効果、そして企業が積極的にスリープヘルス(睡眠衛生)に取り組むべき意義を発表しました。同時に同学会ではオンラインCBT-I(睡眠認知行動療法)であるABCスリープをシリーズ第二弾とするオンラインCBTプログラム【ABCシリーズ】と、SAS治療のメインであるCPAPのうち、グッドデザイン賞を受賞した、純国産のJPAPを展示しました。

Kales先生は消防士や救急救命士、警察官など、有事には生物学的な限界を超えるストレスを体験する災害時のエッセンシャルワーカーに対する産業保健管理を得意とします。
Kales先生ならでは、リスクチェックで採用しているマランパチー分類は、麻酔科専門医にはなじみ深い、気道確保困難を類推する指標です。
リスクチェックでは、ご自分で鏡で見ていただきますが、できるだけ水平に観察してください。もちろん、本物の麻酔科医兼スリープクリニシャンが直接、診察しますので、ぜひ、心陽クリニックをご受診ください。

医学的に診断価値を認められている質問紙の妥当性を検証するには、その感度、特異度、再現性などなどさまざまな切り口から複雑な学術的評価が必要です。
世の中で「健康にいい」と宣伝される多くのサービスには、このようにつじつまの合ったエビデンスと妥当性があるもののほうが珍しいことは、注意が必要です。もちろん心陽オリジナルSASリスクチェックはその診断妥当性や安全性が認められている正真正銘、本物の検査です。

たとえば、ESS(エプワース眠気尺度)は、世界中の臨床で用いられる、科学的エビデンスと妥当性のある、日中の眠気の自覚に関する質問紙です。内外でSAS(睡眠時無呼吸症候群)の簡単なリスクチェックとして用いられ、確かにその陽性検出率は高いです。

SAS患者と非SAS患者を比べると、有意にSAS患者のESSスコアが高いという研究はいくつかありますが、そのほとんどが有症で受診して診断されたSAS患者にあとから非SAS患者を対応させるデザインです。そのデザインにおいても、ESSはSASリスクチェックとしての妥当性がないと結論づける研究が多く、心陽の行なった全員無症状の日本人労働者を対照としたスクリーニングでは、ESSスコアとSASの有無に関連はありませんでした。

また、順天堂大学谷川教授らの日本の労働者を対象とした研究では、むしろ、ESSが低いのにSASのある患者の重症度が高いことが明らかになっています。

ESSの科学的な検出力が弱いとしても、受診や治療のきっかけにしていただくのには十分な動機です。そして、ESSやSASリスクチェックの結果、ハイリスクでも低リスクでも、一度、簡易検査を受検するきっかけにしてほしいです。

症状により、健康保険が利用でき、米国なら15万円くらいかかる検査が、初診料と合わせて3,560円、かかりつけの医療機関なら再診料と合わせて2,920円の自己負担です。

結果が出てからはじまる行動変容こそが、たいせつ

心陽クリニックでは、初診からオンライン診療でSAS検査が受けられます。

自費、保険利用を問わず、オンラインでお申し込みの上、スリープチェックとSASリスクチェックに再度ご回答いただきます。その後、ご自宅に届く検査キットを用いて、ご自宅でいつもの睡眠時に検査をして、キットを送り返していただくだけです。一度も来院することなく、結果をご自宅でご覧になることもできます。

検査結果では、寝相やいびき、睡眠の層(これにより、標準よりショートスリーパーかロングスリーパーかなどの予測が可能です)など、普段は絶対に客観視することのできない睡眠時の自分を見つめることが可能です。

ぜひ、お試しください。

 

自宅で行う睡眠検査(HSAT:Home Sleep Apnea Test)

睡眠を可視化する手段として、もっともお勧めするのが、自宅で行なう睡眠検査、【携帯用装置を使用した終夜睡眠ポリグラフィー】、通称、簡易型PSG(ポリソムノグラフィー)検査です。一度の睡眠でたくさんの情報が得られます。(ACCJによる医療政策提言解説コラムはこちら)

PSGのP(ポリ)は「複数」、S(ソムノ)は「睡眠」、G(グラフィー)は「記録」です。
睡眠に関する複数の項目を客観的に連続、同時記録する、医療として認められている臨床検査です。

複数の項目とは、呼吸の状態(無呼吸や低呼吸などの呼吸イベント:AHI、RDIなど)、「いびき」の状態(大きさや頻度)、循環動態(プレシスモグラフィーによる脈拍、脈波)、酸素飽和度(全身の酸素か状態を評価するための血中の酸化ヘモグロビンの割合)とその低下指数であるODI、体位(姿勢、寝相)、睡眠深度(深睡眠・浅睡眠・REM睡眠など)・・・

 

自分ではけっして知ることのできない情報ばかりですね。

難しい内容は以下にお伝えしますが、この検査の一番、すばらしいところは「いつも通り、自宅のベッド(ふとん)と枕で眠れること」です。

あらゆる「生活習慣病」は、生活の中で起こっていて、医療機関はむしろ、アウェーです。

病院で測ると血圧が高くなってしまう「白衣高血圧」の例でわかるように、生活習慣病を普段の生活にとってはアウェーの医療機関で測定することによる誤差はイメージできるでしょう。

睡眠ももちろん、生活習慣の一部、その検査を生活習慣の中で完結できることは、非常に有利です。
いつもと同じ家の食事、いつもと同じ家のお風呂のあと、いつもと同じパジャマで、検査してみて下さい。酔うといびきがひどいなら、お酒を飲んだあと、テストするのもよいでしょう。

そんな気楽さを可能にするのが、株式会社心陽が推奨する、イスラエルItamar Medical製の睡眠評価装置「ウォッチパット(WatchPAT)」を用いた検査です。(日本経済新聞による関連記事はこちら)

PAT(Peripheral Artery Tonometry:末梢動脈血流測定)テクノロジーにより、交感神経活性に伴う血管収縮により変化する末梢の血流量をセンシングして、鼻カニュラ型気流計や複数の脳波電極を用いずに、呼吸イベントや睡眠深度を検出します。

最新型では、PATプローベと酸素飽和度モニタリングプローベを合体させたUPAT(ユニファイドPAT)プローベでさらに簡易化を実現しました。

だから、喉元のちょっとしたシール、手首に巻くバンド、指先のサックだけで、検査が可能です。

顔が空いているので、CPAPを装着したまま、治療効果判定にも用いることができます。

これを簡易型というからには、当然、より詳細で複雑な睡眠検査が存在します。それが、【安全精度下で行なう終夜睡眠ポリグラフィー】、通称フルPSGです。

複雑なフルPSGは、日本の格安診療報酬制度による検査料金でも5倍以上かかる検査です。検査料金以外にも、入院に伴うコストがかかります。自宅でもできますが、おすすめはしません。

保険診療の診療報酬は簡易型で9,000円、フルPSGで47,500円です。自己負担額が3割だと、簡易型は2,700円、フルPSGは14,250円です。フルPSGの実施施設は限られます。

複雑な検査では、図のように、たくさんの電極シール、耳にかけて鼻孔に挿入する気流モニター、胸とおなかに巻くベルト、そこからつながるたくさんの管が必要になります。

もちろん、複雑な検査の方がより精密で、多くの情報が得られますが、受検者には、時間や費用というコストがかかります。
専門の医師がフルPSGを必要と判断するのにも簡易検査がヒントになりますし、制度上もエビデンス上も簡易検査のみで、有効な治療を開始できる機会は多いのです。

睡眠時間を捻出するのもたいへんな、多くの働く人々にとっては、まずは家庭でできる簡易検査(HSAT)で自分の睡眠を可視化するのが現実的でしょう。

臨床研究により、ウォッチパットによる簡易検査では、睡眠深度やAHIの検出力が複雑な検査と有意に相関するという結果が出ています。(「有意」の説明はこちらのコラムで)

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