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感情マネジメント×睡眠マネジメント振り返り

更新日:4月13日

昨日、2025年4月11日金曜日19時から、感情マネジメント×睡眠マネジメントのセミナーに登壇しました。

おなじ学術研究でも、心理学と医学では異なることがたくさんあり、そしてまだまだ心理学、社会学の倫理審査のほうが厳しくなさそう、と思える研究の紹介もあり、新しい気付きがたくさんあったので、忘れないうちに、メモしておきます。


脳は忘れない


忘れないうちに、と書いて、皆様が退場された後で、池照さんとおしゃべりした内容を思い出しました。

セミナーで池照さんが、「消去したい感情を紙に書いて実際にゴミ箱に捨てる」という行動を感情マネジメントとして実践していると皆さんにお知らせしていました。終了後に私が、「それは、脳を利用する、とても良い方法ですよ」とお伝えしました。

実は私たちの脳は「忘れる」というか、「消去する」ことは、あまりできません。

だからこそ、「忘れる」という言葉が、「消去する」とは異なる意味で、どの言語にもあるのでしょうね。

「忘れる」という言葉の裏には、「いつか、思い出したいときには、思い出せるかもしれない」、「思い出したくないのに、思い出してしまうかもしれない」という期待や不安という感情があり、その感情の背景には、幸運にも思い出せた体験、嫌でも思い出してしまった体験があるのではないでしょうか。


ちなみにAIは本当に、「忘れる」ではなく、「消去する」みたいです。忘れた内容のことは、きれいサッパリ忘れる。忘れるというか、消去、ですよね。人間には理解できなくて、当然です。

だって、にんげんだもの。。。

だからこそ、今、AIに選択的に忘れさせることがトピックのようです。人間に、そういう育成はできませんからね。

たしかに私たちは完全な上書きができないので、一度間違ったことのある漢字を見つめていると、また間違っているような気がしてきますよね。いつもここを間違うってことはよく覚えているんだけど、どっちが間違いだっけ?って・・・つまり、間違った記憶を消すことができないんですよね。

鍵かけたっけ?火を消したっけ?と思うのもそういうことです。

AIの消去力と消去力の選択性を上げていく未来は、末恐ろしくもありますが、消去できない人間が教えるのには限界がありそうですね。私たち人間は、どこまていっても、忘れたいことを選択的に思い出すサガですものね。


書籍『睡眠マネジメント 眠るほど、どんどん仕事がうまくいく』でも、コラムボケたくないなら眠りなさい④ インプットの保存】でも解説したとおり、私たちは日中のインプットは一時ストレージにほうりこみ、睡眠中にそれらを整理整頓して、記憶として保存します。

このとき、消去するという機能はなくて、ほとんどのインプットは、雑に言うなら四次元ポケットみたいなところに片付けられます。だから、どーでもいーことをひょっこり思い出すこともあれば、そんなにむずかしくない、よく知っている人の名前などがなかなか出てこないこともあります。

よほど大事なインプットは、すぐに取り出せる適切な場所にわかりやすく保存し、二度と思い出したくないこと、つまり紙に書いて捨てたいようなことは、鍵をかけて、二度と表に出てこないような場所に片付けます。

こういうかなり選択的な記憶の加工をするためには、睡眠の前半でしっかり脳を掃除して、その上で丁寧な整理整頓をしていくってことが大切、産業保健的に言うなら、やっぱり5Sが大切です。


脳というのは本当に賢い臓器で、思考したこと、特に撮像したことを確実に実現しようとします。

これも私がよく言いますが、まだ誰もやったことのないすごいことを夢でやってみてから実現します。それは、前半で脳を完璧に清掃した場合に実現します。

池照さんが、紙に書いて捨てる話にやっと戻りますが、その脳に、捨てたいものを捨てる映像を見せるというのは、すごく賢いことですよね。

昨日のセミナーでもお話しましたが、寝る前に脳にいろいろとネタを与えておくと、レム睡眠の間に天才脳が仕事を進めてくれます。思いも寄らないアイデアが浮かびます。

レム睡眠がそういう創造力を発揮するのは前半の仕事が済んでからなので、しっかり8時間以上眠って、利用してください。


コラムにこういう振り返りを作成して、一度、脳に見せるというのも、きっとよいことでしょうね。


自分を知ることから始める


感情マネジメントは、まず、自分の感情や思考パターンを認識し、理解することから始まるのだそうです。

認識や理解には認知機能が大切なので、私が昨日主張した、起床後、連続覚醒時間が15時間を過ぎてからは、特にこの認識フェーズには向いていませんね。

起床後15時間を過ぎると、理性は枯渇し、認知機能は酔っ払い並み、こういう疲れた状態では、自分に対しても他人に対して合理的な評価ができないのは当然ですが、合理的な評価ができないからやめようという合理性も枯渇しているので、ともかく始めないのが一番です。


これは薬物中毒や不健康行動と一緒ですよね。昨日、セミナーの前にある企業にお話したんですが、岩盤化している喫煙者群をどうこうするよりも、新規喫煙者を生み出さない職場環境が重要です。

睡眠薬もそうです。

「やめる」って、「はじめる」のの何倍も難しいです。

それなら、「やめさせる」施策より、「はじめさせない」施策のほうが絶対に有利だし、そのほうがノーワンビハインドのポピュレーションアプローチであり、ずっと先の未来に貢献できます。

また話がそれました・・・


自分を知るために大切なのが、「Mood Meter」、「記録」、「振り返りの時間を取る」ということなので、めずらしく、振り返っていることを忘れていました。さすが人間です。


Mood Meterの色(エナジー×フィーリングの4象限)と捗る仕事の組み合わせという研究があるようで、これも面白いですね。

社会人の多くが、起床時間は決まっていると思うので、一日に何度もMood Meterをやってみて、起床後の時間とMood Meterの結果の関係を、ぜひ、見つけてほしいですね。

記録は睡眠マネジメントでも非常に有効なので、ぜひ、睡眠日誌をお勧めします。

最近は睡眠日誌は自動的にスリープテックで記録できますし、日中のアクティビティも同様に記録は容易ですが、気分はなかなか自動で、とはいかないけれど、色でタップするようなアプリがあると便利ですよね。

職場環境の改善にも用いれそうなので、開発を検討してみたいですね。


最近私はストレスチェックの回答時間に着目した研究をしています。

自律神経にも認知機能にも日内変動があるのだから、ストレスチェックの回答が回答時間に影響を受けるのは当然ですよね。

皆さんもできるだけ、ストレスチェックは就業時間内に回答しましょうね。


予定外科手術の成績は、朝1番がすぐれているというエビデンスがあります。

大事な仕事、大事な話は、できるだけ朝、しましょうね。

あんまり早朝プロポーズって聞かないけど、夜はお互いに合理的な判断ができないので、夜、衝動的にそういう感じになったとしても、24時間窓口もあるけれど、翌朝もう一度、検討したほうがいいでしょうね。 アララ、またしても話がズレまくってますね。週末の夜なんかはよくないですよ。経験談ですからね。


心陽の一番大事な会議は週明けの朝、やっています。これは、心陽の昼夜逆転夜型役員が提案してくれたことです。彼は長い間、社会で活躍してきていて、いつ、一番、頭が働くか、体で知っていたんですね。

金曜の夜の会議で、すぐ取り掛かることをメンバーに割り振っても、忘れてるのか、週明けにやるのか、よくわからないですよね。すぐやったとしても先方のリアクションがどうなるのかもわからないし、大事な連絡を金曜の夜や週末にこちらから出すのも、現在の世の中では非常識と捉えられて、機会損失につながるリスクもあります。

月曜の朝だと本当にすぐできるんですよね。10年以上、同じスケジュールでやっていますが、これは最初に提案してくれた彼に、とても感謝しています。


私の睡眠マネジメント:つまらない仕事は日中の息抜きに★


皆さんにはイメージしていただきやすく、【睡眠マネジメント】と表現していますが、眠っているときにはできず、覚醒しているときの覚醒している時間の過ごし方のマネジメントなので、実は【時間生物学的マネジメント】と呼びたいんです。

時間生物学では、生物の体内時計にフォーカスします。


生物の体内時計と社会の時計は誰でもずれているのですが、自分に最適なタイムスケジュールが固まる前は、何時にどんな仕事をしてうまくいったかを把握しておくと、その後の【睡眠マネジメント】がうまくいきます。Mood Meterの要素も入れたいですね。

こんなふうに、24時間の円盤で、8時間連続で睡眠時間を入れる、トップパフォーマンスで仕事ができるのは起床後12時間まで、起床後15時間後以降はストレスのインプットを避けたいですね。

プロポーズを想像してください。ときめきますよね。頬は紅潮し、脈拍は上がり、瞳孔が開きます。これ、交感神経優位のストレス状態です。6時に起床したら、22時以降のプロポーズは、添い遂げたい人だからこそ、やめておきましょう。

まあ、昨日のセミナーでもプロポースの話なんて出てないんですけど、昨日は慣れない時間にトップパフォーマンスを持ってきて落ち着けず、午前1時まで起きていた後遺症が、ナウ、出ていますね。


昨日のセミナーでお伝えしたとおり、私は理論がわかった後、起床後12時間後以降に頭が悪くてもできる書類を型どおりに埋める作業を片付けてました。 でも、仕事の負荷の大小にかかわらず、処理能力は下がるんです。

トップパフォーマンスのときにも難しい仕事に手こずるのは、認知機能のせいではなく、自分のスキル不足です。このタスクに対応するには、ストレスをたっぷりかけて、自分が成長するしかありません。 しかし、認知機能の衰える時間帯は仕事の難易度にかかわらず、同様にミスが増えるのです。

以前はそれを、認知機能の高い覚醒後12時間以内にチェックして修正していました。しかし、必ずミスもあるし、修正するのとそのタイミングで最初からやるので全く時間が変わらない、ということに気付きました。


いくら起床後12時間以内でも、ストレスマックスの超集中状態は、どんなに長くても連続100分程度が限界です。必ず、こまめな息抜きで少しヤーキーズ・ドットソンの坂を左側に降りながら、トップパフォーマンスを維持しなければなりません。それなら、その左に戻ってバランスを取るための息抜きに、ストレスの少ない退屈タスクを噛ませればよいということに気付きました。

このストレスマネジメントで、日中の集中時間は減らずに、夜の時間は増えました。


交通事故の100%に居眠りかマイクロスリープが関連しているというエビデンスもあります。運転の上手い下手はもちろんありますが、できるかできないかは、それほど難しいものではありません。無免許の無謀な若者や高齢者の事故にメディアはフォーマスします。しかし、交通事故の絶対数は、認知機能が減衰してから運転している、運転技術の高いプロドライバーに最も多いのです。技術が高いから運転してしまうのです。奢っているばかりではなく、社会的背景もあるのです。 実際に、残業しているのは、たいてい超エリートハイパフォーマーです。。。(産業医は語る…)

血圧と脳梗塞の発症率は相関しているけど、血圧がすごい高い人の人数と、血圧がまあまあ高い人の人数がぜんぜん違うので、脳梗塞を起こす人で一番多いのは、収縮期血圧が140mmHgくらいの人々なんです。

社会的にやるんだったら、インパクトが大きいのは、ふつーの血圧の人に対するアプローチなんです。


睡眠マネジメントの1例


このコラムを読んでくださった方への特典として、時間的に入り切らなかったために、ボツにした、睡眠マネジメントの一例をご紹介します。


先日、相談に見えた全国展開の企業の経営者の1日がこちらです。

本社以外の営業店に出かける際には、電車で移動するために5時より早く起きることもあるけれど、自宅近くの本社で1日が始まる日には、8時近くまで眠っていられます。眠れるのなら、彼はいくらでも眠っていられるのです。

実は彼、事前のアンケートに、平均睡眠時間は7時間前後と回答しています。それは素晴らしい姿勢だと思います。私はすべての人に、自覚検査の回答に迷ったら、自分の理想や願望で回答しろ、と伝えています。なぜかというと冒頭に書いたとおり、脳をその気にさせるためです。 なりたい自分について、できるだけたくさん考えた人が、なりたい自分になれるのです。


彼が経営者として、各拠点の管理職の報告を受け、翌日以降の指示を出すのは、管理職たちの仕事と、プレイヤーとしても活躍する本人の仕事が一段落した、20時以降です。

ハイパフォーマー同志の深夜のディスカッション・・・・・・嫌な予感しかありませんが、早くても22時まで、時には日付をまたぐほど激しくなることもあります。そうでしょうね・・・・・・容易に想像できます。

そんな打ち合わせが零時すぎに終わったところで、お互いにすぐには眠れませんよね……だって、ストレス大好きハイパフォーマーの人たちが、大好きな仕事の話で、熱く語り合って、またストレスも血圧もあげちゃったんですもの・・・・・・ほとんどお祭り状態です。本来、せめて年に数回にとどめてほしい(笑)


それでも翌朝はお互いに重大な仕事が待っています。

この有意義なミーティングがあるとね、実際、翌日からの仕事のパフォーマンスは上がるんですよ。 その成功体験があるから、彼らはやっちゃうんです。 でもね、それを業務連絡だけにして、朝、すり合わせた場合と比較はしてないんですよね。朝になると、別にいいか、と考えられる事象も増えてきて、それはそれで寂しいんですよ、私自身、そうだったから、よくわかります。いいか悪いかなんて、判断できる立場ではないんだけど、死ぬか死なないか、健康によいか悪いかだけの尺度で言えば、朝のほうがいいんです。


グダグダグダグダ夜中にあーでもない、こーでもない、って仕事の話するのって、めちゃくちゃ楽しいんですよ。昭和の飲みニュケーションです。

昨日、池照さんと話したとおり、私たちこそ、寝ないで仕事して遊ぶことに令和の若者たちが想像できないほどの価値を感じていて、実際に数時間睡眠で生きてきたんです。

でも、いろいろわかってきたんで、皆さんには、回り道してほしくないのが老婆心なのよ。。。私は悪い例なのよ。。。ね、こちらが昨日、公開した私の黒歴史・・・・・・

経営者は、翌日が本店だと、白熱ミーティングが零時すぎたとしても、8時まで7時間眠れる、、、なんて思っちゃうんですよね、、、ハイパフォーマーなので、理性が枯渇していてもまあまあ賢いので、その程度の計算は朝飯前です。

これ、池照さんも昨日のセミナーで話していましたが、そもそもできる人って、理性が枯渇してても、まあまあできちゃうんですよ。プロのドライバーの事故が多い理由も、過労死の理由も同じ、できる人のほうが圧倒的に多いんです。でもね、リスクがある限り回避することこそが、「マネジメント」なんですよ。


それでも気持ちは興奮しているので、睡眠時間は足りていないのに、この経営者が寝付きにかかる時間は30分以上です。

昨日のセミナーでは、一般向けに、寝付きが早いことに対する警告ばかりしましたが、睡眠不足の人が、15分以内に眠れないことも、私の外来では大きな課題としています。

寝落ちする理由は簡単で、睡眠不足の解消が簡単な解決策ですが、日本の働く人々に寝落ちの次に多いのが、寝不足なのにコーフンして眠れない人々なんです。遊びすぎちゃって、うまく寝つけず、ぐずぐずゴネる子どもの状態です。


経営者の彼にはまず、打ち合わせを、とにかく全員、必ず22時に終了すること、始める時間、行う人数、打ち合わせの内容、エトセトラ・・・それは私の口出しする内容ではありません。

とにかく、経営者の彼の、経営者としての当日の仕事を、22時までに完了すること、その後は遅くとも23時の就寝まで、打ち合わせで浮かび上がった課題の正しい解決策を決めようとしないでリラックスして、当日持ち上がった議題に対するソリューションは翌朝出すこと、そのために本社勤務の日も6時半には起きて、クリアな頭で、解決策の司令を出すことを提案しました。

ほんの少し、内服含め、医学的な介入も追加しました。つい最近の話なので、まだ、効果の程はわかりません。これが私の行っている睡眠マネジメントです。


私は、日本で1人の、臨床医療ができる睡眠マネジメント医師兼社会学者だと自負しています。

もし、スマートウォッチの信頼性が不安とか、理由のわからないメディアの自費医療にかかろうとか考えている方がいらっしゃいましたら、正真正銘保険医のカウンセリングが市場最安値で受けられる、SLEEP DX PROGRAMを選択してください。 守秘義務があるので言えませんが、すごい人々がものすごく満足してくださっているので、間違いないです。まあ、完全詐欺のレーザー手術の半額未満ですので、騙されても傷は浅いです。


私は、解決を求めますが、つい先日も、たいへん難しい症例に、ズバリの解決を提示することができませんでした。

尊敬する和代さんに誤診してしまったことは、先日の熟睡セミナーでお伝えしたとおりです。そのセミナーのもう一人のスペシャルゲスト、田中先生には、本日、「ガチの下剤」という表現を褒めていただきました。


だんだん、起床から15時間に差し掛かり、怪しくなってきました。私は、今、テレビで高校生のダンス部と芸能人が一緒にパフォーマンスして点数を競う合うテレビを号泣しながら見ていましたが、こういう判定もできれば、審査員が起床後12時間以内に行われるようにしてほしいですね。

思えば、オリンピックなどでも判定の問題が毎度、持ち上がりますが、審判に、簡単なPVT検査などをデフォルトにしてはいかがでしょうかね。


 
 
 

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