top of page

💉解禁★インフルエンザワクチン★



2025~2026秋冬シーズンの株は以下に決定しました。


A型株

  • A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1)

  • A/パース/722/2024(IVR-262)(H3N2)

B型株

  • B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)


気付きましたか?

そう、去年までの4価から、3価になりました。


🦠ワクチンの株の歴史


まずは、インフルエンザワクチンの歴史を振り返りましょう。


1930年代:インフルエンザウイルスが分離・同定される。

 1933年 A型発見。

 1940年 B型発見。


1940年代:第二次世界大戦中、米軍向けに不活化ワクチンが開発・使用され始める。


1960年代:不活化ワクチンが一般にも広く使われるようになる。


1970年代:当初は 2価(A/H1N1とA/H2N2など) が使われていたが、

 1977年 H1N1型が再流行し、A型が2種類(H1N1とH3N2)同時に存在するようになった。

 そこで、3価が標準になりました。


  • A型 H1N1(季節型/2009年以降はパンデミックH1N1)

  • A型 H3N2

  • B型(ビクトリア系統 または 山形系統のどちらか一方)


2000年代後半〜2010年代前半:        B型はビクトリア系統と山形系統が交互に流行し、しばしば予測が外れることが問題になる。

       WHOや各国研究機関から「両方のBを含めたほうがよい」という提言が出始める。


 2012年 WHOのワクチン株の推奨において、初めて4価ワクチンの利用が正式に提案。

 2013年 CDCが4価を推奨、その後、欧州でも広まる。


 2015年 世界的な4価標準化を受けて、日本でも4価を標準化


 2023年 世界的にB型(特に山形系統)の自然流行がほとんど確認されなくなった。

      9月にWHOがB型山形系統をワクチン株から除外するよう推奨。


 2025年 日本でも4価から3価に変更。


当院は2015年に開業したので、「なぜ株が増えるのか?」というご質問をよく受けたのを覚えています。

このタイミングで、薬剤卸からの希望小売価格が1.5倍に跳ね上がり、ワクチンの価格も値上がりしました。

カルテルではないかと、日本医事新報社に質問が掲載されました。

正直なところ、今回、3価に戻って一番、期待外れだったのは、値下がりしないってことです。


例年通り、職場での集団接種、企業負担の院内接種、東振協およびあまの創健の補助に対応しております。


かかりつけの方、ご近所の方は、直接のご連絡もお受付しております。

特にご近所の方には、救済割引ワクチンも実施します!(1バイアルで2名分のため、廃棄を避けるためにご協力いただける場合は、割引します)


💡 接種タイミングの目安


接種後2〜3週間で抗体がつき、約5か月効果が続きます。

国立感染症研究所のデータから、多くの年でピークは1月〜2月、特に2月上旬が最多です。

ただし、近年は年内11月〜12月に早めに立ち上がるケースも増えていますし、11月と2月に二峰性のピークがある年もあります。

昨年(2023/24シーズン)は、第49週(2023年12月4日〜10日) に、全国の定点当たり報告数が 33.73 となり、最初のピークを迎えました。


10月中の接種で、11月にピークがきても、年末年始も、受験時期も、春先までもカバーできます。

例年、11月に入ると予約が混み合い、ワクチンが品薄になることがあります。

確実に接種したい方はお早めのご予約をおすすめします。

ご予約分は、確保しておきますので、遅め接種希望の方もお早めにご予約ください。



インフルエンザワクチンを接種しても、感染を完全にブロックすることはできません。


📊CDCやNIIDのデータを鑑みると、シーズン平均すると 40〜60%程度の「発症」予防効果があります。これは発症であり、感染とイコールではありません。でも、感染して気づかないなら、別にいいよね?

つまり、接種した人は接種しなかった人に比べて「かかる確率が半分くらいになる」イメージです。

一致度が高い年には、60%以上の予防効果が見られることもありますが、反対に、一致度が低い年、特にA/H3N2株の年には、10〜20%まで落ちたこともあります。


最も期待できるワクチンの効果は重症化予防で、小児の入院リスクを40〜70%低下させ、高齢者での肺炎・死亡リスク低下:40〜60%させます。妊婦もぜひ、受けてください。


しかし、私たち社会人がインフルエンザワクチンを接種する目的の第一は、生産性の低下を避けることです。

そして、もう一つ意識してほしいことは、世の中には絶対にインフルエンザ感染を避けたい免疫抑制状態の方が少数存在し、彼らは免疫抑制ゆえに、ワクチンを接種できないということです。働く人の中には、免疫抑制状態の方はほとんどいない。元気な自分の健康を増進しながら、助けを必要としている人の力になれる集団免疫は、本当に素敵な真理です。


ree

研究・論文名・報告

対象・国

主な成果・結論

特記事項・留意点

Influenza cost and cost-effectiveness studies globally – A review

国際

世界各国におけるインフルエンザワクチンのコストとコスト効果の研究を総覧

多国間・手法のばらつきあり、比較には注意が必要 (サイエンスダイレクト)

Costs and cost-effectiveness of influenza illness and vaccination in low- and middle-income countries(システマティックレビュー)

LMIC(途上国〜中所得国)

54件の研究を分析。対象集団別(子ども、高齢者、基礎疾患ありなど)でワクチン導入が「費用対効果あり」「コスト節約型」と評価された事例多数あり (PLOS)


Economic evaluation of seasonal influenza vaccination in elderly and healthcare workers

論文(高齢者・医療従事者対象、複数国データを用いた統合)

接種群と非接種群の「限界正味便益(Incremental Net Monetary Benefits, INMB)」を比較し、ワクチン接種が経済的に合理的であることを示す

高齢者・医療従事者に対する効用評価を定量化 (ランセット)

Cost-Effectiveness Analysis for Influenza Vaccination Scheduling

シンガポール・台北・東京など(シミュレーションモデル)

接種スケジュールの最適化をモデル化し、コスト効果性が得られる条件を検討

地域性・モデル仮定に依存する結果 (サイエンスダイレクト)

Effect of influenza vaccine subsidies for older adults(日本)

日本(市区町村単位)

高齢者の自己負担を引き下げる補助を実施した自治体では、接種率が上昇。自己負担を1000円下げると接種率が約6.3%上がると推定。ただし、死亡率との関連は明確化できず。 (Keio University)


Evaluating the Economic Benefit of Improved High-Dose Influenza Vaccine Coverage in Tokyo

日本(東京の高齢者)

標準型ワクチンから高容量(High-dose)ワクチンへの転換を想定したモデルで、医療リソース削減効果・費用便益を分析中 (ISPOR.org)


Influenza, Healthy Ageing and Economic Resilience in Japan(報告書)

日本

高齢化社会におけるインフルエンザによる公衆衛生・経済的負担を議論。「高容量ワクチン(高齢者向け)」導入のコスト効果を論じている (Asia House)


A benefit-cost analysis quantifying the broader socioeconomic value of adult respiratory vaccination programs in Japan

日本

成人呼吸器系ワクチン(インフルエンザ含む)プログラムの社会経済的便益を試算。5年間でベネフィット・コスト比(BCR)は約 18:1、生涯帰結で 20:1 に達するという推定結果を示している (nevinmanimala.com)


どうぞよろしくお願いします。


ree

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
  • Facebook

〒113-0033 東京都文京区本郷2-29-3 株式会社心陽 

2-29-3 Hongo, Bunkoy-ku, Tokyo, Shiny-O Healthy Companies Corp.

bottom of page