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頭痛と睡眠 【プレゼンティーイズム①】

頭痛は、プレンゼンティーイズムの代表的な原因です。

プレゼンティーイズムとは、就業しているけれど、発揮しているパフォーマンスが、会社に期待されているアウトプットに達していないことによるコストです。

つまり会社が、4000円の売上を作ってくれると思って、従業員を時給1000円で雇用しているのに、2000円のアウトプットしか出せない場合、2000円のコストがかかると計算でき、この2000円のコストをプレゼンティーイズムといいます。


頭痛は、第1位メンタルヘルス、第2位睡眠についで、第3位のプレゼンティーイズム原因です。

疼痛というくくりにすると、メンタルヘルスを抜いて第1位になります。

そして、今回は第2位の睡眠との関係を紐解きます。

そもそもメンタルヘルス不調、睡眠障害、疼痛というのは、それぞれが原因にも結果にもなる複雑に絡み合った関係です。

どれかを治療することで、すべてが軽快することが期待できるのです。




頭痛の原因は、さまざまですが、酔った後、徹夜、時差ボケ、不眠、睡眠不足などなど、不適切な睡眠とは関係がありそうだと、誰でもうすうす感づいていることでしょう。


今回は、睡眠障害の治療が頭痛の軽減に役立つことを証明した、こちらの研究を紹介しましょう。

Improvement in headaches with continuous positive airway pressure for obstructive sleep apnea: a retrospective analysis


頭痛の診断のついた男女に終夜睡眠ポリグラフィー検査を実施し、AHI5以上の場合は、通常の頭痛治療と並行して、CPAPを導入しました。


AHI5以上のうち51.9%(全体の32.9%)のCPAPアドヒアランス良好群は、治療により頭痛が改善した割合が、全体から見ても、他のどのカテゴリーから見ても、有意に高かったのです!!




この研究では、AHI5未満の方にはCPAPを使用するチャンスを与えていないのですが、全員にCPAPを使用させていたら、最終的にもっとたくさんの方の頭痛が改善したかもしれませんね。





睡眠時無呼吸症候群や不眠症、睡眠不足の自覚症状として、頭痛は非常にポピュラーです。


頭痛診療では、頭部MRIや頭部CTなど、画像検索を第一にイメージする方が多いかもしれません。

私たちは自覚症状を頼りに、最も治療を急がなければいけない致命的な疾患から除外していく必要がありますので、確かに不自然な、異常な、激しいなど、一般的とは言えない頭痛を訴える場合には、画像で「器質的疾患」を除外します。

とはいえ、脳腫瘍のような画像にまざまざと映る原因で頭痛が起こるのは、むしろ、ごくごく稀なのです。


繰り返しお伝えしているとおり、睡眠不足の脳は炎症しています。痛みは炎症の主症状です。脳に何らかの炎症があるというのは、充分な頭痛の原因です。睡眠不足が炎症の原因になるのは明らかなので、睡眠不足が頭痛を招くのは驚くに値しません。


また、頭痛にはサーカディアリズム(概日リズム:体内時計が刻む1日のリズム)が大きく影響していることは、さまざまな先行研究で明らかになっています。

片頭痛が午前6時から正午に見られやすく、心筋梗塞のパターンと共通点があることも指摘されています。

サーカディアンリズムによる分泌量の日内変動があるコルチゾルや副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)などが、頭痛に影響していることも知られています。卵が先か、鶏が先かはわかりませんが、頭痛があると、コルチゾルやACTHの分泌がイレギュラーになるという報告があります。どちらも自律神経に関連するホルモンですが、自律神経のアンバランスは頭痛と深い関係があります。

更に、サーカディアンリズムを司る視交叉上顎を持つ視床下部から分泌されるホルモンや松果体から分泌されるメラトニンのリズムや分泌量が、頭痛があると狂っていることがわかっています。

そして、終夜睡眠ポリグラフィーによると、頭痛があると、N3とREMの時間が短縮してしまっている場合が多いです。


つらい頭痛がOTCの鎮痛薬でおさまって、生産性を保てるのなら、それはすばらしいことです。

いつでも、痛みを我慢する必要はありません。

とはいえ、頭痛が最初から起こらなくなれば、少なくとも起こる頻度や持続時間が低減すれば、生活の質は高まるでしょう。

そのための簡単な方法は、たっぷり眠ってみることです。7時間以上の臥床を、4~5日間、続けてみてください。

それで、頭痛の頻度や持続時間が低減すれば、睡眠はよい方法です。増悪することは考えにくいですが、その場合は心配なので、医療機関を受診してください。






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