コラム
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「薬は食後」は、思い込み?
薬と毒は紙一重?もともと薬は静注(静脈注射で投与)が主の麻酔科出身の私は、多くの皆様には、処方薬にしろOTCにしろ、薬に対する神話的な思い込みがあるらしいことを、開業してから知りました。そもそも薬は飲まないほうがいいという神話がある。。。「生活習慣を変えるなど、薬を飲まないで済ませる方法はないんですか?」と非常によく聞かれます。皆さんそれほど西洋医学に懐疑的なら、病院に行かなきゃいいのに・・・・・・こどもを医学部に行かせようって頑張らなきゃいいのに・・・・・・毒にも薬にもなるって言葉がありますが、そもそも医療というのはそういう側面があるからこそ、有資格者が認可施設でのみ行えます。公衆衛生施策やヘルスケアとは前提が異なります。たとえば動いていない腸管を、薬や手術で動かさなければ、それが原因で命を失うこともあります。でも、腸管の動きが正常な人には薬も手術もいりません。医療では、ベターな選択肢ではなく、ベストな選択肢を提示します。薬を飲みたくないのは自由意志ですが、その場合は主治医にその旨を伝えてくださいね。処方されてるけど服薬しないし、それを伝えもしないのだけは、やめてくださいね。具合が悪

【睡眠健康経営セミナー】ご質問への回答 ④
皆さん、こんにちは。第98回産業衛生学会のランチョンセミナーでは、お世話になりました。オンデマンド配信は、2025年6月17日(火)~7月7日(月)です。もちろん、睡眠健康経営ランチョンセミナーもオンデマンドでお楽しみいただけますが、ランチョンセミナーのオンデマンドは、スライドのない部分は音声だけで、4人の表情やリアクションがご覧いただけないのが残念です。考えごとをして寝つけない場合はどうしたらいいですか?ご質問、ありがとうございます。この質問には、会場でも答えました。どうしたらいいかは、わかっていらっしゃるんじゃないかな?って思いますが、あえて、回答するなら、考えごとをしないで眠ってください。寝つこうとしている以上、起床してから、12時間は経っていると思います。起床後、12〜15時間後くらいは「フォビドゥン・ゾーン(Forbidden Zone of Sleep)」といって、最も寝つきづらい時間です。これは、睡眠負債がない人の場合なので、起床後12時間後、と乱暴に考えてしまっても睡眠不足の皆さんにはOKだと思います。人間、意識して「考えごとをしない」のは無理でして、もう、「意識」が「

【睡眠健康経営セミナー】ご質問への回答 ③行動変容のエビデンス
本日、オンデマンド用の動画をチェックしました。オンデマンド配信の期間は6月17日(火)~7月7日(月)予定となっております。 あの興奮が再び!というわけで、ぜひ、オンデマンドもご覧ください。私のポスター発表もオンデマンド用データをアップしますので、ぜひ、ご覧ください。質問を全部で18問いただいて、これまで7問に答えてきましたが、一番多かったのが、竹林効果でしょうか、行動変容に関するご質問でした。健康好行動を促す! これはとても素敵なことです。しかし、私たちの役割は健康にとって好ましくない行動をしている人や、健康にとって好ましい行動をしない人を警察のように取り締まることではありません。その点は、注意してくださいね😉行動変容にエビデンスがある面接技法(動機づけ面接、motivational interview )はご存知ですかいいえ、知りません。ご質問をきっかけに、2本、信頼性の高そうな系統的レビューを読みましたが、どちらも2005年、20年前のものでした。私自身はこの領域に明るくありませんが、エビデンスの探求は、それぞれが向き合ってこそ意味があると思います。ぜひ、ご自身の探求を進めてく

【睡眠健康経営セミナー】ご質問への回答 ②深夜業・交代勤務・夜勤
第98回産業衛生学会ランチョンセミナー19【睡眠健康経営】にいらしてくださった皆様、誠にありがとうございました。また、会場にいらっしゃらなかった方も、オンデマンドで楽しめますので、どうぞご視聴くださいませ。本日はご質問への回答第2弾、まずは、西川株式会社からいただいた丁寧な回答をシェアしますね!睡眠改善には実態把握が大切だと思います。goomoではどのようにして、睡眠の質を計測するのでしょうか?goomoではスマホの加速度センサーを利用して睡眠中の体動から心拍や呼吸を測定し,それを元に機械学習を利用して睡眠の状態を測っております。また弊社の圧電センサー内蔵マットレスと連携することで,さらに高精度の測定を行い睡眠時無呼吸症候群のリスクや,自律神経の状態なども計測しています。深夜業に従事されている方に特化した寝具はありますか?西川㈱では、深夜業向けの方のみという形では発売しておりませんが,深夜業の方々の睡眠課題に対応した製品・サービスもご用意しております。深夜業務の方は日中に睡眠をとられるため、光や温度変化に影響を受けやすい環境でお休みになることが多いと存じます。そのような状況では、「エア

【睡眠健康セミナー】ご質問ヘの回答 ①Power Nap
第98回産業衛生学会総会5月17日土曜日13時からのランチョンセミナーへのご参加、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に終えることができました。主催・登壇者は西川株式会社・西川会長と株式会社心陽・石田陽子だったはずですが、蓋を開ければ竹林正樹先生オンステージ with 浜口先生という様相であったような・・・・・・登壇後のサインの列も、竹林先生が最長という・・・・・・(笑)過去、最も発言した指定発言者として、歴史に残ったのではないでしょうか?!当日、18のご質問をいただきました。すべてのご質問には答えられませんでしたので、こちらで回答します。西川株式会社へのご質問については、ご回答をお願いしているので、いただきましたら、掲載します。本日は、夜の睡眠とは別に、勤務中の睡眠についての質問を集めました。他国や他社の事例などもあれば教えていただきたいのですが、具体的に仮眠文化を日本の企業で浸透させていくにはどのような工夫がありますでしょうか?私は「仮眠文化」という言葉について、よく知りませんが、調べたところ、「職場において昼間に短時間の睡眠(仮眠)を取ることを、生産性や健康維持の観点から

朝活警察にご用心!
「朝活こそ成功への道!」 そんな常識に、ちょっと待った! 朝型・夜型は生まれつき違うもの。無理に早起きして自己啓発するより、自分のリズムを尊重して、睡眠負債をためないことの方が、よっぽどパフォーマンス向上につながります。 「もっと早起きしなきゃ!」ではなく、「今日から、『私は眠れているか?』を最優先にしてみよう。」 朝活神話に惑わされず、【自分リズム最強説】を信じよう!

生命が奏でるリズム
先日、FBにこんなことを書きました。1日のリズムは人の一生に似ていると気付きました。睡眠中に生まれて、起床後12時間まで生産性の高い成人で、その後は認知機能等あらゆる生体機能が低下して眠りに就く・・・睡眠で生き返るという「ことわり」にあらためて納得しました。時間治療 病気になりやすい時間、病気を治しやすい時間久々の書評です。竹林正樹先生のビジネスパーソンのための使える行動経済学の書評で「優れた書籍は書き出しの一文が秀逸である」という法則に話をしましたが、この本の書き出しは、「朝」、「月曜日」、「冬」―――。この3つに共通するのは、病気になりやすいタイミングです。なかなかおもしろい書き出しです。読み進めるうちに、この本が「生命のリズム」への深い敬意と、美しい世界観に満ちた一冊であることに気づかされました。まず驚いたのは、体内時計や時間生物学という分野の歴史が意外にも浅いということ。私たちが当たり前のように感じている「朝起きて夜眠る」というリズムも、科学的にはまだ十分に解き明かされていない部分が多いのです。さらに、私たちの体には、概日リズム(24時間周期)だけではなく、実にさまざまな周期の

感情マネジメント×睡眠マネジメント振り返り
付記(2025年5月19日):ログミービジネスで講演を取り上げていただきましたので、こちらもごらんください。(全7回)昨日、2025年4月11日金曜日19時から、感情マネジメント×睡眠マネジメントのセミナーに登壇しました。おなじ学術研究でも、心理学と医学では異なることがたくさんあり、そしてまだまだ心理学、社会学の倫理審査のほうが厳しくなさそう、と思える研究の紹介もあり、新しい気付きがたくさんあったので、忘れないうちに、メモしておきます。脳は忘れない忘れないうちに、と書いて、皆様が退場された後で、池照さんとおしゃべりした内容を思い出しました。セミナーで池照さんが、「消去したい感情を紙に書いて実際にゴミ箱に捨てる」という行動を感情マネジメントとして実践していると皆さんにお知らせしていました。終了後に私が、「それは、脳を利用する、とても良い方法ですよ」とお伝えしました。実は私たちの脳は「忘れる」というか、「消去する」ことは、あまりできません。だからこそ、「忘れる」という言葉が、「消去する」とは異なる意味で、どの言語にもあるのでしょうね。「忘れる」という言葉の裏には、「いつか、思い出したいとき

ストレスを知る(3)睡眠でストレスをクリアする
ストレスレベルは血圧でわかるストレスを知る(2)ヤーキーズ・ドットソンの法則で法則の末尾でお伝えしたとおり、ユーストレスには、パフォーマンスを高める、というよい作用しかないかというと、そうではありません。ユーストレスには心理的、感情的にはよいことしかありませんが、生物学的には犠牲を払います。パフォーマンスを出すには、エネルギー源が必要ですが、そのエネルギー源を運搬するのが、血液です。 ストレスがかかると、たくさんのパフォーマンスを出すために、交感神経は、ストレスホルモンによって、血圧も脈拍も上げて、心拍出量を増やして、たくさんの血液を臓器に届けます。その分、血管壁に与える物理的なストレスは大きくなっています。しかし、血管に物理的なストレスがかかっていても、元気な気持ちになったり、嫌な気持ちになったりするなど、感情に変化はありませんので、自覚的に血管のダメージに気付くチャンスはありません。睡眠も血圧も生命活動、健康、寿命にとっては、すごく重大な事項ですけど、異常だから必ず自覚症状があるかというとそういうわけではないんです。だから血圧測定もすごく大事ですが、睡眠の他覚検査も大事です。どちら

ストレスを知る(2)ヤーキーズ・ドットソンの法則
適度なストレスによってパフォーマンスは高まるヤーキーズ・ドットソンの法則は、Yerkes-Dodson's lawの和訳で、全然、元の発音と違うんだけど、なぜかこれで定着しています。ストレスとパフォーマンスの関係を説明する法則として、有名です。ストレスは変化であり、その変化に適応するために、人は努力します。人は誰でも、少し高い目標を示されると、そこまで頑張れるものです。あなたにもきっと、目標というプレッシャーによって、自分のパフォーマンスを上げたという経験があるでしょう。その目標にリアリティがないとあまり頑張れませんが、ちょっと頑張ればできそうだと思うと、頑張れるものです。実はレム睡眠には、目標にリアリティを与える機能があります。つまり、眠らないと、いつまで経ってもどうせ私には無理思考から、抜け出せません。ストレスは原則、パフォーマンスの栄養ですが、その栄養をしっかり吸収するためには、睡眠が不可欠なのです。学生から社会人になり、報酬に見合う貢献をしようと、プレッシャーを感じながら頑張るのは、非常に大きなストレスですが、だからこそ伸びます。研修は毎日緊張して、ぐったり疲れますよね。数年し
