コラム
161–166件 / 全166件

第②位 アセトアミノフェンは心の痛みも抑制する
アセトアミノフェンは1873年にアメリカで合成され、1955年にアメリカで市販が開始された鎮痛剤で、日本では市販薬のタイレノールや処方薬のカロナールがなじみがあるでしょうか。欧米ではよく使われる薬ですが、日本ではNSAIDsのほうが圧倒的に処方数が多いです。2011年に保険適応の上限値が引き上げられたことでより使いやすくなり、臨床使用がしやすくなりましたが、その変更を知らない医師も多いというのが実際のところです。 麻酔科領域でも2013年の静注剤の発売から、かなり頻繁に使用されるようになっています。古くてメジャーな薬なのですがナゾに包まれているところも多い不思議な薬です。ところが、このアセトアミノフェンの服用が、痛みを軽減するだけでなく、他者が経験する痛みに対する共感能力をも低下させる可能性があることが、『Social Cognitive and Affective Neuroscience』に掲載された米国の研究で示唆されました。その効果は人の社交性において「懸念材料」になる、と著者らが述べているのはそのとおりですが、アセトアミノフェンを処方する理由になる慢性疼痛の症状の一つとして、

第⑩位 PSS(Perceived Stree Scale)とストレスチェック
職場の「イジメ」とストレス職場の「イジメ」はすでに世界で起こっていて、産業保健上の重要な問題になっています。また、イジメと長期療養休職や退職の関係もだんだんと明らかになってきています。今回はイジメと長期療養休職の因果を知覚できるストレスが仲介しているかについて検証した研究を紹介します。知覚(自覚)ストレス (Perceived Stress)ここで用いられているPerceived Stress は知覚されるストレス、つまり自覚的ストレスのようなもので、最も簡単に言えば、「ストレスあるなあ」と感じることです。あえて難しく言うと、Perceived Stress は環境からの刺激あるいは要求に対する個人の主観的な評価結果を指す概念で、周知の心理的ストレスの相互作用モデル(transactional modeI:Lazarus&FoIkman,1984)における認知的アプレイザル(cognitive appraisal)に焦点を当ててとらえたストレスを意味しています。(Cohen, Kessler,& Gordon,1995;Cohen&Williamson,1988;Monroe&Kell

第⑪位 ゲーテの警告 日本を揺るがすB層の正体
ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体B層は「マスコミ報道に流されやすい『比較的』IQの低い人たち」で、この表現だと、いくらか悪口っぽいんですが、そうはいっても、まずマジョリティであり、内閣総理大臣より、財務官僚より、米国大統領より、ノーベル賞受賞者よりも、実際に日本を動かしている強い勢力です。B層の人々に支持してもらえなければ、どんなによいアイデアでもリアルにならないという点で、非常に重要です。私の専門は公衆衛生で、病人や病気になるリスクの高い人だけではなく、その他の大勢の人に向けて発信し、もちろん病人やハイリスクの人々も得をするようなサービスを提供することです。公衆衛生家は集団の管理者に働きかけるので、政府とか、経営層とかが相手で、決定権のある人々の納得を得るために科学的エビデンスとか、実現可能性とか、そのサービスを取り入れる妥当性をあの手この手でアピールします。管理者はB層であったりなかったりするでしょうが、どの集団でもB層は大勢を占めるので、B層の人々の声が「やってやって!」「買って買って!」と大きくなることは、管理者が首を縦に振る、おおきなきっかけです。ポピュレーションアプ

低GI食が肺がんリスクを減らす可能性
低GIダイエットは健康的に適性体重を保つのにも、体重を落とすのにも効果的ですが、なーんと、肺がんリスクの増大とも寛解しているらしいです。疫学研究なので科学的な関係を突き止めたわけではないのですが、低GIダイエットが普及する理由になることでしょうから、なによりです。 ひきつづき、低GIチョコレートにもご注目下さい。 閑話休題、先日、落語の会で聞いたネタです。 「この前のバレンタイン、誰が一番チョコもらったと思う?」 「うーん、どうせモテモテでかっこいい木村くんでしょ」 「違うの、ダントツで部長だって」 「なんで? あのセクハラじじいが???」 「・・・・・・部長 糖尿病なんだって」 ヾ(^^ ) 計画殺人か・・・もし、本気で部長を好きになってしまっても低GIチョコレートなら大丈夫です。そして、その部長がスモーカーで肺がんリスクが高い場合も、低GIチョコレートなら大丈夫。低GIシガレットチョコをつくれば、禁煙と告白と低GIという健康三位一体が実現するかもしれません・・・? 研究結果では、特に喫煙未経験者とSCC(扁平上皮がん)で特に高かったようなので、愛のある禁煙行

第⑭位 アブラカタブラ ③DHA・EPAサプリ、飲み続けてみよう
コラム 【アブラカタブラ ②大ショック(´д`)n-3脂肪酸サプリに効果なし】で、EPA・DHAの摂取が心筋梗塞後の心血管イベントを減らさないという結果を出した研究を紹介しました。アブラカタブラ①②④⑤⑥はこちらからどうぞ!そうしたら、「飲んでたけど、意味がないときいてやめました」というご意見をいくつかいただいてしまってビックリ(゜Д゜)しました青魚との癒着を疑われても言い逃れできないくらいω3信奉者の私が、EPA/DHAに効果がないなんて口が裂けても言いませんよ~~~ 実際、EPA・DHAはサプリメントとして手に入るものの中で、非常に多くの研究がなされており、確実に有意義なことがわかっており、お手頃価格ですばらしい栄養食品です。 EPA・DHAに関する研究は枚挙にいとまがなく、そのどれもが有効性を示唆しています。今回の研究でも、EPA・DHAが「体に悪いことが証明された」のではなく、こんなに有効なω3脂肪酸でさえ、サプリメントという形態で服用すると、きちんと他の治療をしている心筋梗塞後の患者さんで見た場合、意外にもぐっと結果がよくなるということではない、統計学的にはサプリメントありと

腋窩体温の意義
手術中の体温管理は 重要な課題です。そのため 術中は体温を前額、口腔・鼻腔、食道、直腸、膀胱、肺動脈カテーテルなどで持続的に測定します。特に体温をシャープにコントロールする必要のある場合は、複数箇所でモニタリングします。病棟を出る際にもたいてい腋窩(「えきか」と読みます。「わきのした」のことです)で術前の体温を測定してくるのですが、正確に深部温を測定してみると、かなりギャップがあります。 「34.7度です」なんて平気な顔で申し送られるとぎょっとしてしまうのですが、すぐに体に触れてみるとあきらかに嘘だろ~~とわかります。脇の下に体温計を挟むのはけっこう難しい動作ですし、小児や高齢者はもちろん誰にとっても認知の問題が発生しますよね。本来、測定姿勢や理解によって差が出てしまうような検査はあまり望ましいものではありませんが、ひとつよい点としては非侵襲的な点ですね。ただ、予測値として利用するだけなら、実際は触診でもいいのかもしれません。最近は非接触式の図のような体温計が使われることが多いですね。インフルエンザワクチン接種前の検温では腋窩体温計を今年も用いましたが、クリニックの備品は3分計でみんな