VIC【バーチャル企業内診療所】

多くの社会人にとって、1日の3分の1以上、覚醒している時間の大部分を過ごす職場こそ、生活習慣病診療の場にふさわしいです。
高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病、花粉症、腰痛症、睡眠時無呼吸症候群など、適した疾患はいくつかありますが、まずは職場での効果判定が容易な高血圧症とポピュレーションアプローチに最適で経済効果の高い睡眠診療をおすすめします。
+クリニックだからできる
本気のコラボヘルス

コラボヘルス型VICによる高血圧対策プログラムでは、企業の有する健康データである法定健診結果を、ハイリスク群抽出、価格決定および診療情報として用いますが、医療機関が収集するので、オプトインの同意取得のみで、匿名加工が不要です。集団分析結果がよいほど、基本料金が下がるので、結果を引き上げるモチベーションになります。
上司からの指示で、従業員は完全予約型オンライン診療を、就業時間中に、オフィスで受診し、処方薬をデスクで受け取ります。処方に関する説明は治療中に行いますが、服薬指導には、いつでもだれでもオンラインでアクセスできます。
日常的な服薬管理は上司が行います。日本の会社員は、医師に言われるより、家族に言われるより、上司に言われたほうが、素直に従うことがわかっています。これもNORMです。
企業の規模に応じて、部署単位に導入し、実証実験を行うのもいいでしょう。

法定健診における、血圧の有所見率は全国で18%、片側1SDより少し広い範囲へのハイリスクストラテジーです。これに企業内食堂での減塩、運動、禁煙などのポピュレーションアプローチを加えます。ポピュレーションアプローチとハイリスク群への積極的な医療を組み合わせると、医療だけの場合の数倍の効果が望めます。

高血圧をターゲットにする理由は他にもあります。循環器疾患はすべてのジャンルでレセプト医療費第1位、高血圧症をベースとする動脈硬化性のイベントによる死亡率は全体の22.7%、虚血性心疾患の年間医療費は、7,499億円、虚血性心疾患全体の患者数は約80万人ですが、最も生活への影響が重い、急性心筋梗塞は約82,000人、死亡原因2位に上がった老衰のピークは80代以上ですが、急性心筋梗塞の発症年齢のピークは、60代前半の労働者世代です。また、要介護認定の原因の3分の1以上、34.5%が脳卒中です。心臓イベントの9割以上、心臓関連死の半数が、適切な行動で予防可能だと言われています。ポピュレーションアプローチで収縮期血圧を2mmHgずつ下げれば、高血圧症の発症率は17%下がると試算されていますので、有所見率は15%を下回る期待が持てます。心血管イベントリスクは6%低下し、脳卒中のリスクは15%下がります。拡張期血圧が95mmHg以上の全員に降圧薬を投与するよりも、全員のわずか2mmHgの血圧を下げるほうが、心血管系疾患を減らすことになり、拡張期血圧90mmHg以上の国民にかかる医療費を84%節約できます。脳卒中については95mmHg以上の全患者への降圧治療が叶える成果の93%、および90mmHg以上の治療による成果の69%を予防できます。
高血圧症の治療は内服だけで、服薬習慣さえつけば、コントロール可能な場合がほとんどです。にもかかわらず、治療を必要とする全国4300万人のうち、医療機関にかかっている人が半分強の54%、しかもそのうち半数しか目標降圧を達成していません。(両立中337万人)
イベントリスクと血圧の関係は、内服の有無にかかわらず、血圧値で決まります。受診や服薬という健康行動を取っているのにコントロールが不良なのは、医師の怠慢もあると思っています。さきほども触れたように日本の医療制度には成功報酬がありませんから、ただ漫然と処方して、目標等のビジョンを示さない治療が横行しています。血圧がなかなか下がらないと受診行動につながる、おかげで売上が上がるという誤った経営感を持っている開業医が多いのも事実です。高齢になれば代謝も落ちるので、投薬量を増やしたり、多剤併用したりするのはよくないとわかっています。だからこそ、できるだけ早い時点で、血管の柔軟性が保たれているうちに、積極的な治療で処方固定することが重要です。生活習慣病も早期発見、早期治療が鍵なのです。

コラボヘルス型VICによる高血圧対策プログラムのまとめです。
健診受診からリスク分類、VIC受診、社内デスクでの処方薬受け取りまでを一気通貫で行います。
受診や急性増悪のためのコストは、すぐに、大幅に、削減されます。
同時に全従業員へのポピュレーションアプローチを展開します。
経年推移の見られる法定健診結果は、診療上、非常に有用です。
治療のアドヒアランスと効果は上長が業務中に管理します。
治療効果を増大させるピアサポートチームを結成します。

保険診療を適用して自己負担額を給与天引きしてもいいし、最初から企業と健保で自費診療を負担するコラボヘルスもおすすめです。自費の場合は診療担当医への報酬を出来高ベースに設定して治療効果を高める戦略が可能です。通院や内服という健康行動を取っているのに、主治医の怠慢でリスクを減らせてもらっていない従業員を救うことができます。

 

​次にスリープテックによる生産性向上プログラム、スリープDXプログラムの紹介です。英国の減塩政策が示すように、ポピュレーションアプローチは、一人あたりの効果は地味でも、全体としての効果が大きいです。理想の企業内ヘルスケアプログラムは、効果を最大限にできるポピュレーションアプローチ、誰でも参加可能、科学的エビデンスがある、法令や政策等社会的な推奨がある、施策です。

たとえば企業負担の禁煙治療は、上長による管理、企業への信頼、受診の利便性などのVIC効果で、個人治療より有効です。しかし、高血圧の治療とは異なり、禁煙は医療がなくてもできますし、喫煙しない従業員のほうが、企業への貢献度が高いはずです。減量も同様です。さきほど、BMI40が25%、BMI16が75%の集団の例を出しましたが、BMI35を超える病的肥満では、運動や栄養などの効果が限定されますし、75%の従業員はやせすぎなので、減量は有害です。運動が健康に与える影響については、実はあまり科学的エビデンスがありませんし、障害やけがなどの身体的な状況や、天候等に影響されやすいです。栄養は体質や宗教などの多様性によって、食べられるものが決まっている場合もあります。
たとえ、全員が対象にならない施策でも、その施策を行うことで、対象外の従業員も含めて、施策を行わない場合よりも健康になるという、社会疫学的なデータが出ていれば別です。
睡眠は、就業時間外に行われる原始的な生命活動で、プログラムの理想条件を完全に満たしています。全員にとって関係があり、全員にとって同じ働きかけで効果がある睡眠は、最も選択する価値のある、企業内ヘルスケアプログラムです。

不眠症や睡眠時無呼吸などの睡眠障害および睡眠負債により、心身の疾病リスクが増大することが科学的にわかっています。睡眠は、全従業員にとって必要な、本質的な生命活動です。

日本の労働者の半数以上、調査によっては、7割や9割の労働者が、睡眠に対して、課題を感じています。つまり、睡眠改善プログラムには、大きなニーズがあるのです。

健康経営は、従業員の人的資本に投資して、企業全体の生産性としてのリターンを得ようとする経営戦略ですが、従業員の睡眠衛生増進は、企業にとって、最も投資価値のある人的資本投資です。

それは、睡眠に無関係な人間がいない、全員参加できることと、生命活動の中でも生産性との関連が最大だからです。

睡眠と生産性の関連は、疫学的、生理的に、数々の科学的エビデンスがあります。

睡眠課題のひとつである不眠を放置すると、企業の損失はどんどん増えていきました。

米国において、企業負担で行われたHSATの件数は、6年間で5倍に増えています。福利厚生コストにシビアな米国企業が、30,000円以上かかる検査に支出する理由が、確実にあるのです。

睡眠に関連する経済損失は、少なくとも年間15兆円と言われていて、これは日本のGDPの2.92%を占めます。

睡眠に関連する経済損失は国際的な社会課題です。とはいえ、GDP比で見ると、日本はカナダの2倍以上の割合です。実際の一人当たりGDPを見ていくと、カナダは52,079ドル、日本は39,340ドルです。大きく異なるのは睡眠時間で、カナダは7時間25分、日本は6時間20分と1時間以上の差があります。
全体的に睡眠時間と一人当たりGDPには相関があることが明らかで、日本は分布から大きく逸脱しているのがわかります。この睡眠時間なのに、この生産性は、日本の凄さを物語っています。青い矢印と同じ調子で、睡眠時間が増えた分だけ一人当たりGDPが上がると仮定すると、日本の睡眠時間が1時間伸びれば、136,701ドルのルクセンブルクを追い越すかもしれません。
まさに、日本が世界を牽引する可能性が見えてきます。

つい最近は、睡眠改善アプリの経済的効果が、1人あたり年間12万円という報告がありました。
自覚的な不眠観は、実際の睡眠時間以上にコストへの影響が大きいことがわかっているので、睡眠時間を増やすと同時に、睡眠の満足度を高めていくことが必要です。

一方で、自覚の有無にかかわらず、認知機能は不適切な睡眠によって確実に障害されることがわかっています。自覚できない睡眠課題にどう向き合うか、ここで、ヘルステックの出番です。現在、診療に用いる認可治療機器、認可診断機器、未認可の医療機器のほか、もちろん手軽な民間サービスも含め、スリープテック市場には毎日のように新しいデバイスが登場して、おもしろくってしかたない状況です。この話題だけで1日が過ぎてしまうので、今回はひとつだけ、紹介します。
ここでリアルサイエンスと書きましたが、栄養や運動と同様、ポピュラーサイエンスが横行しているのが睡眠領域の課題です。よいと思って取り入れている習慣が、全く意味がないどころか、逆効果になる場合があるので、専門家による適切なアドバイスに価値があります。

それではひとつだけ、スリープテックを紹介します。PATテクノロジー、Peripheral Artery Tonometry Technologyにより、交感神経活性に伴う末梢動脈収縮をセンシングして、呼吸イベントや睡眠深度を検出し、フルPSGと同等の精度を実現した、イスラエルのitamar社の技術です。イスラエルのヘルステックはかなり熱いです。

このPATテクノロジーを用いたSleep DX プログラムの流れです。オンラインでESSやAISなどの臨床質問紙に回答してエントリー、自宅で検査を受けます。最新HSATを用いて検査を行い、睡眠深度、呼吸状態、いびき、寝相、脈拍、酸素飽和度を測定します。

​​​皆さんの中には高額の人間ドックなどを受けられる方もいるかも知れませんが、どんなに最新の器機でどんなに最高の精度で測定して、どんなにかっこいいデザインで結果サマリーが発行されても、本人が行動変容しなければ、意味がありません。保険診療は所見があって初めて利用できますが、自覚症状がなくても、健診結果で所見があれば、利用できます。スリープドックの結果、治療の必要な疾患の発見や疑いがあった場合には、この診療中に説明し、適切な医療機関の紹介、担当医師による治療開始など、ノンストップで進みます。

反対に、はからなくてもわからなくても、かわりさえすれば効果は出るので、全員が、視聴できるオンライン認知行動療法、ABCスリープだけの利用でも、効果は上がります。だれもが自然と健康になれる」、公正な社会づくりですね。視聴するだけで、ポピュラーサイエンスを見抜き、リアルサイエンスでリテラシーを高める効果があります。

​日本のベンゾ、非ベンゾ消費量は米国の8倍以上です。ベンゾ・非ベンゾは、飲むだけで認知機能が低下するだけでなく、耐性と依存という生物学的リスクのほか、犯罪や自殺という社会的リスクもあります。大切な従業員には、原則として服用させない設定が望ましいでしょう。あらゆる睡眠導入剤は睡眠の質を落とすことにも注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧症以上にVICとの相性がよいです。アドヒアランス向上には、ピアサポートチームや、企業や公費の費用負担に効果があることがわかっています。
睡眠時無呼吸症候群は、主症状出現の場も、治療の場も、日常生活中、しかもその症状を自覚すらできない睡眠中ですから、診察室で診療するメリットはありません。患者も医師も眠っている間の治療なので、まさにDXが活躍します。
たとえばCPAP治療はテクノロジーで器械が自動的、物理的に行い、治療中のできごとは、DXで患者と医師のもとに届けられます。患者と医師は、それぞれの治療アプリから情報にアクセスできますが、オンライン診療で画面共有することで、患者と医師は同じ情報を見ることができます。睡眠時無呼吸症候群の治療は、言うまでもなく日中のパフォーマンスとの関連が大きく、事故防止効果が高く、安全推進にもなります。心筋梗塞発症リスクを放置時の10分の1まで低減するほか、治療開始によって、さまざまな生活習慣病が改善することがわかっています。もちろん治療はCPAP一択ではありません。

VICは現在、企画の段階で、一緒に実証検証してくださる企業を募集しています。
また、今月、限定で、個人向けのスリープDXプログラム・パッケージを、オトクな料金でご案内しています。本日のお客様の中にもトライアルしてくださった方がいらっしゃいます。
私を含め、実際にテストを受けた誰もが、自分の睡眠を客観視する価値を実感しています。