株式会社心陽

「日中眠い社員」を会社はどう支援する?睡眠・ストレス・生産性を一緒に測る意味

会議中に眠そうにしている。

午後になると集中力が落ちる。

何度もあくびをしている。

本人に聞くと、
「ちゃんと寝ています」
と言う。

こんな従業員がいたとき、会社はどうすればよいのでしょうか。


「もっと早く寝てください」
と伝えればよいのでしょうか。

実は、日中の眠気はそれほど単純ではありません。
  • 睡眠時間が短いこともあります。

  • 夜は眠っていても、睡眠の質が悪いこともあります。

  • 仕事の時間が長すぎることもあります。

  • 生活リズムがずれていることもあります。

  • 睡眠時無呼吸症候群など、医療につなげたほうがよい病気が隠れていることもあります。

だから会社が見るべきなのは、
「何時間寝ていますか?」
だけではありません。

日中の眠気と「不眠」は同じではない

前回の記事でも紹介しましたが、

「夜、眠れない」

ことと、

「昼、眠い」

ことは同じではありません。

夜になかなか眠れない人でも、日中の眠気が強いとは限りません。

反対に、

「布団に入ったらすぐ眠れる」
「自分はよく眠れている」

と思っていても、仕事中に強い眠気が出る人もいます。

この違いは、職場で睡眠を考えるときにとても重要です。


ストレスチェックの標準的な57項目には「よく眠れない」という質問があります。

でも、それだけでは、

「昼間、どのくらい眠いのか」

はわかりません。

17,963人の労働者を調べると、「眠いだけ」でも仕事に影響していた

2025年にJournal of Epidemiologyに発表された研究では、日本の日勤労働者17,963人を、

  • 日中の眠気だけがある人

  • 不眠症状だけがある人

  • 両方がある人

  • どちらもない人

の4群に分け、仕事のパフォーマンスを比較しました。

結果は興味深いものでした。

不眠症状だけがある人だけでなく、

「日中の眠気だけがある人」

でも、睡眠の問題がない人に比べてプレゼンティーイズムが悪化していました。

欠勤についても同様でした。

そして、不眠と日中の眠気の両方がある人では、さらに悪い結果がみられました。 (J-STAGE)

つまり、

「眠れないと言っていないから大丈夫」

ではないのです。

なぜ、昼間に眠くなるのか

同じ研究では、日中の眠気と関連する要因も調べられています。

関連していたのは、

  • 平日の短い睡眠時間。

  • 長い労働時間。

  • 社会的時差ぼけ。

  • そして、習慣的ないびきや、睡眠中の無呼吸を指摘されていることなどでした。 (J-STAGE)

ここに大事なことがあります。

原因が、全部「本人の生活習慣」ではないことです。

例えば、毎日仕事が遅くまで続いていれば、
本人がどれだけ睡眠の大切さを理解していても、
十分な睡眠時間を確保することは難しくなります。

勤務時間、シフト、勤務間インターバル。

こうしたものは、会社側がつくっている環境です。

一方で、いびきや無呼吸などがあれば、
睡眠時無呼吸症候群などの可能性を考え、医療につなげる必要があるかもしれません。

石田先生
石田先生

今年の6月から睡眠障害診療科の標榜が解禁しました。

私が院長をつとめる心陽クリニックは、睡眠障害内科、睡眠障害精神科を標榜しています。

AI編集長は、「いびきや無呼吸などがあれば」と言いますが、
いびきや無呼吸があるかどうかはわかりませんよね?

だって、睡眠中は意識がないから。

だから、睡眠に関する不満が少しでもあれば、
睡眠の伸びしろへの期待が少しでもあれば、
気軽に睡眠障害診療科を受診してください。

お待ちしております。

つまり日中の眠気には、

  • 本人が変えられること。

  • 会社が変えられること。

  • 医療が支援できること。

があります。

「眠い社員」に会社ができるのは、「寝なさい」と言うことではない

会社が従業員の睡眠を管理する必要はありません。

何時に寝たかを監視する必要もありません。

まして、眠そうにしている人を見つけて病名をつけることは、会社の役割ではありません。

会社にできることは、

まず、何が起きているのかを知ることです。

十分な睡眠時間を確保できているのか。

不眠があるのか。

日中の眠気があるのか。

生活リズムがずれているのか。

長時間労働など、睡眠を妨げる働き方になっていないか。

そして、それが仕事のパフォーマンスと関係しているのか。

ここまで見えて初めて、

「睡眠教育をすればよいのか」

「働き方を変える必要があるのか」

「医療機関への相談を勧めたほうがよいのか」

という次の一手を考えられます。

眠気が続くなら、医療につなぐという選択肢もある

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、
不眠や睡眠休養感の低下、覚醒時の眠気が続き、日常生活に支障を来している場合には、
医療機関を受診することを勧めています。 (厚生労働省)

これは職場でも重要です。

特に、

車を運転する。

機械を操作する。

高い集中力や判断力を必要とする。

そんな仕事では、眠気は本人の生産性だけではなく、安全にも関わります。

厚生労働省の睡眠ガイドでも、良い睡眠は、
眠気や疲労に関連する労働災害や自動車事故などのリスク低減に重要とされています。 (厚生労働省)

「眠いくらいで病院?」

ではなく、

眠気が続いていること自体が、相談する理由になることがあります。

なぜ「睡眠」だけではなく、ストレスと生産性も一緒に測るのか

ここまで4本の記事で、

ストレス。

不眠。

日中の眠気。

睡眠時間。

生活リズム。

プレゼンティーイズム。

を見てきました。

これらは、別々に存在しているわけではありません。

例えば、

仕事の負荷が高い。

帰宅が遅くなる。

睡眠時間が短くなる。

昼間眠くなる。

仕事のパフォーマンスが落ちる。

仕事が終わらなくなる。

さらに帰宅が遅くなる。

こんな循環が起きることもあります。

逆に、仕事のストレスはそれほど高くなくても、
睡眠時無呼吸症候群などによって日中の眠気が強く、
仕事のパフォーマンスが落ちている人もいるでしょう。

一つだけ測っていると、原因を取り違える可能性があります。

ストレス × 睡眠 × 覚醒 × 生産性を一緒に見る

そこで心陽のX-check(クロスチェック)では、法定ストレスチェックに加えて、

AISで不眠。

ESSで日中の眠気。

平日と休日の睡眠から生活リズム。

WHO-HPQなどで仕事のパフォーマンス。

を測ります。

さらにオプションのPVT(精神運動覚醒検査)では、本人の自覚だけではなく、反応速度から覚醒状態を確認します。

「ストレスが高い人」を探すためではありません。

「眠い人」を探すためでもありません。

ストレス、睡眠、覚醒、生産性を重ねることで、

この職場で何が起きているのか。

どこを変えればよいのか。

を考えるためです。

眠気を「本人の問題」にしない

眠そうな社員を見つけたとき、
「昨日、何時まで飲んでいたの?」
と笑って終わることは簡単です。

でも、その眠気の後ろには、
睡眠不足があるかもしれません。
働き方の問題があるかもしれません。
ストレスがあるかもしれません。
治療できる病気があるかもしれません。
そして、その眠気はすでに仕事のパフォーマンスに表れているかもしれません。

だから、

はかる。
わかる。
かわる。

眠気を本人の自己管理だけの問題にせず、職場と本人と医療、それぞれができることを考える。

それが、働く人の睡眠を会社が支援するということだと思います。

眠れないAI時代。
目覚めをアップデートする。
X-checkは、「眠れているか」だけではなく、
「目覚めて、働けているか」まで測ります。

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