従業員50人未満の中小企業・小規模事業者のメンタルヘルスケア 大企業と同じでいいわけがない
経営課題としての中小企業のメンタルヘルスケア
労働安全衛生法の改正により、2028年から、50人未満の事業主に対して、ストレスチェックが義務化されます。
この法改正により511万事業場以上(うち、従業員数10人未満414万事業場)が加わり、対象事業場数は単純に約30倍になります。
50人未満の事業場数がこんなにも多いのは、国際的にもめずらしい日本の特徴ですが、日本の法定産業保健においては、大企業が基準になっているきらいがあります。
産業衛生学会では、高度で多彩な産業保健職を擁する大企業のメンタルヘルスケアが話題になり、内外のエビデンスも大企業中心です。
ところが、中小企業経営者や小規模事業者の経営課題の根底にある、経営者自身や少数精鋭従業員のメンタルヘルスケアにおいて、学会や論文の方法論を当てはめても、全く機能しません。
正確なデータではありませんが、母数を1,000人とすると概ね、年間10〜30人程度が新たにうつ病を発症、年間50〜150人程度が何らかの抑うつ症状を経験、年間5~10名が休職を開始しています。
とはいえ、うつ病の発症は医療機関における診断で、何らかの抑うつ症状の経験はアンケートベース、大企業は制度が手厚いので休職者は多く、中小企業ほど医療へのアクセスが遅れ、休職制度も不十分、ましてや経営者については、根性論しか適用されない状況です。
そして、大企業では経営陣にも制度が適用され、代替が利きます。
中小企業では、医療や社会制度、他の企業の社内制度に関する情報がないので、本来、休職して療養に専念するべき状態にもかかわらず、プレゼンティーイズムの高い状態で、労働者は働き続けます。
経営者や同僚が、仲間のメンタルヘルス不調に気がついて、どうにかしてあげたくても、どうしてあげられるのかわかりません。
プレゼンティーイズムの高い状態で病状を悪化させる原因は、単純なメンタルヘルスケア情弱です。
単純な情弱はすぐに解決できます。情報アクセスを持てばいいのです。それが心陽のサービスです。
働く人が「気分が沈む」「眠れない」といった心身の不調を抱えながら仕事を続けることで、日本全体では年間およそ7.6兆円、日本のGDPの1.1%に相当する経済損失が生じていることが明らかになっています。
そのうち96%以上の7.3兆円が、休職ではなく出勤している状態におけるプレゼンティーイズムです。
この損失額は、精神疾患の医療費の7倍にも上り、早期発見・早期治療で防げる損失です。
(出典DOI:10.1097/JOM.0000000000003431)
50人未満の事業場と大企業とは構造が異なるため、割合を中小企業に当てはめるのは無理がありますが、1000人で5~10人なら、10人の企業だと単純計算で10~20年に1人しか休職者が出ないため、そのための人員確保や制度設計は後回しにされがちです。
ところが、いざ現実になると、10人の企業の1人は戦力の10分の1に当たり、企業としてのダメージは非常に大きいです。

毎年コンスタントに発生する0.5%と、突然、発生する10%の損失インパクトの差は、単純な20倍にはとどまりません。
そのうえ、その1人が経営者かもしれない、と考えると、とにかく発生させない予防のための制度設計や、なにかあったときに早期にリスクマネジメントを開始できる専門家とのリンクは非常に重要です。
株式会社心陽では、50人未満の事業場の構造設計および、発生したときの初期対応を行います。
まずは一次予防として、メンタルヘルス不調が発症しない職場づくり、
次に二次予防として、メンタルヘルス不調の早期発見・早期治療のための制度設計、
最後に三次予防としての復職後の治療と仕事の両立支援、および再発予防を支援します。
法令に準拠し、生産性を革新する、全く新しいストレスチェック【X-check(クロスチェック)】は、医療専門職不在でも、労働者のメンタルヘルスセルフケアを促す工夫を凝らしています。
全身麻酔には、ごく稀だけれど、発症すれば命に危険が伴う合併症がいくつかあり、事前にどのようなデータを取っていても予防できない場合があります。
ですから、全身麻酔の同意を得るための事前説明では、300万分の1と推定される重篤な合併症は起こり得ます。リスクはゼロではありません。
たとえ稀な合併症であっても、あなたに発症すれば、あなたの命はひとつしかないので、100%の問題です。
しかし、そのような天文学的に稀な合併症についても、私たちはできる限りの専門性で対応する準備があります、とご説明します。
メンタルヘルスケアも同じことです。
どんなに稀であっても、発症すれば本人にとっては100%、そして会社にとっても小さい企業ほど、経営者なら尚更、インパクトは大きいのです。
徹底的に予防すること、そして万が一の場合の専門職とのリンクを作っておくことがベストリスクマネジメントです。
職場のメンタルヘルスケアを、1日でも早く備えましょう。➜ 株式会社心陽に問い合わせる
若手のメンタル不調、中小企業は10年で3倍 悩み多様で対応に遅れ
先月31日には、日経にこんな記事が載りました。
「メンタル不調で1か月以上休職または退職した社員がいる」50~99人の事業所割合が、2013年の9.5%から2024年の19.7%と約2倍になり、大企業(5000人以上)の20.4%に迫りました。(厚生労働省調査)
そうはいっても、9.5%のときと、19.7%のときで、経営者が直面するダメージは変わりません。
50人未満の事業場において、リスクが何%という話は、ほとんど意味がありません。
とはいえホラーですよね、5000人以上の従業員の事業所と50~100人の事業所で、休職者または退職者がいる事業所の割合が同程度なんて……、50人未満も10%(前年比約2倍)、30人未満も5%です。
このトリックは、大企業は複数の事業場を持っているからです。
この点からも、大企業はボリュームを活かしたメンタルヘルスケアや人員配置等のコントロールができるという側面を持ちます。
実際に、高ストレス者やメンタルヘルス不調による休職からの復職者などを、特定の部門や事業場に固めている大企業は多いです。
100%を前提としない多様な働き方の中で人材をいかすべき
この記事の最後に書いてある、この発言には、私は大反対です。
働く人にとって、こんなに失礼な言葉はないと思います。
もちろん、人間は多様ですから、私にとっての100%とあなたにとっての100%は異なります。
障害を持っている人も、病気を持っている人も、外国籍の人も、高齢者も、女性も、誰でもそれぞれの100%で仕事を楽しみ、社会に参加できてはじめて、D&Iです。
もちろん、個人の違いだけでなく、人間誰でも、キャリアによって、年齢によって、そして病気や障害によって、その長いキャリアの中で、100%の形は変わります。
若いときは体力があり、年を重ねれば知恵があります。
私は、100%を前提とした働き方をこれからも支援していきたいし、皆様の未来の100%を、今の100%よりもっと素敵にしたいと考えています。
それがキャリアアップであり、成長であり、人的資本の向上ではないでしょうか?