株式会社心陽
最終更新: 2026/8/17

「睡眠と健康経営」第50回日本睡眠学会

「睡眠と健康経営」について第50回日本睡眠学会で発表しました。

当日は歯科のセッションだったので、内容を変更して、歯科医科連携の必要性についても熱弁を振るいました。

O10-004 睡眠と健康経営 ー「睡眠マネジメント」で、眠るほど、ぐんぐん仕事がうまくいく

○石田 陽子1,2,3,4,5、溝口 茂樹1,2

1ai-X株式会社、2株式会社心陽、3北海道大学保健科学大学院、4久留米大学医学部公衆衛生学講座、5心陽クリニック

健康経営とは、従業員の人的資本、特に健康への投資により、企業の営業利益や社会的価値を高める経営戦略である。

あらゆる健康課題による生産性損失は、経済損失のうち医療費の約3倍に達し、その大半は欠勤によるアブセンティーイズムではなく、出勤しているにもかかわらず十分なパフォーマンスを発揮できないプレゼンティーイズムで占められる。
疼痛やメンタルヘルス不調と並び、睡眠課題が、プレゼンティーイズムの原因となる主たる健康課題であり、この三大要因による経済損失に占めるプレゼンティーイズムの割合は8割を超える。また、保険適用の睡眠障害診療により解決できる睡眠関連プレゼンティーイズムの規模は認識されていない。

睡眠障害診療科の標榜が実現する今、この啓発は日本睡眠学会の責務であると考える。

日本の労働年齢層の睡眠時間は諸外国と比較して著しく短く、この傾向が生産性低下のみならず、労災事故、離職、将来の心身の健康リスク増大とも関連し、生産性高く働ける期間そのものを短縮する。

睡眠衛生増進のための施策は、他の健康施策と比べて安価かつ実装しやすく、睡眠課題のみならず、他の健康課題によるプレゼンティーイズム低減にも波及効果を有する点で、健康経営施策としての投資対効果は極めて高い。

近年では、睡眠時間以上に、SJL(社会的時差ボケ)がプレゼンティーイズムや死亡リスクに強く関連することも報告されている。

本発表では、健康経営の基本概念を整理した上で、睡眠時間および睡眠の規則性と生産性との関係を概説し、睡眠科学の知見に基づき、企業向けに具体的な睡眠健康経営施策を提案する。

演題発表に関連し、開示すべきCOI関連にある企業等はない。
また、本発表は既存文献および公開情報に基づく概説であり、新たな介入や個人情報を含むデータ収集は行っていないため、倫理審査およびインフォームドコンセントは不要である。