第⑤位 それでもバリウム飲みますか

更新日:2020年12月8日

バリウムを飲むのは義務ではない


法定健診を受けるのは労働者の義務ですが、バリウム(胃X線検査)は義務ではなく、会社の好意、健保の提供努力義務(しかもバリウムに限らず胃カメラでよい)、健診センターの営業成果です。


バリウム検査(正式には「胃(部)X線検査」)に心身医学的、社会的(経済的&利権的)意義はありません。

国民皆保険制度(診療報酬制度:医療の内容によって点数=価格が一律に決まっているしくみ)に近年、はじめて「費用対効果の概念」が試行的に取り入れました。

費用対効果以外に、どんな観点で料金を決めていたのでしょうかね?


そういう業界でもありますので、特に現実的な費用対効果の支店をお持ちの経営者の方々は、コストをかけて従業員の健康や生産性を引き下げる施策を避けてください。


法定健診項目

企業が従業員に受けさせなければいけない法定健診項目以外の検査に関しては、企業側のサービスと健診センターの営業努力で行われていると思ってよいのですが、ナゾのサービスで法定外福利厚生費を浪費し、健診センターの売り上げにのみ貢献して、従業員から嫌われている場合がありますから、企業としてはどの検査がコンプライアンスとして必要なのか、法定外の健診が従業員の健康管理やパフォーマンス向上、または医療費の削減に真に有効なのか、を本来、しっかりと吟味して投資しなければ経営とはいえません。

多くの労働者が、「え?! バリウムって飲まなくてもいいの??」と驚きます。


「なぜ飲まなきゃいけないの?」と疑問を持ってください。あなたの大切な時間、お金(会社や健保が負担するとはいえ)、そして身体的負担を投じて、超個人情報である身体情報を赤の他人に渡して、果たして相応の利益があるのか、常に意識してください。

健康経営はまず、個人のレベルではじめることが重要なのです


ちなみに、話は逸れますが、健診時のちょっと豪華なランチなど、当然、無意味です。 健康効果が保証されていないことはもちろん、検証さえされていませんし、なんとなく嬉しいからなんとなく食べてるだけで、ランチ代の2000円、気の置けない仲間との贅沢ランチに使ったほうが、パフォーマンスが上がるのではないでしょうか?


労働安全衛生法の制定時及び主な改正時に規定された内容


昭和22年(1947年) 労働基準法による健康診断義務

昭和47年(1972年) 安衛法成立 健診の回数と内容を規定

平成8年(1996年)  産業医の専門性確保,健診結果についての意見聴取,健診実施後の措置,一般健診結果の通知

これを見て、どう思いますか?

健康診断の義務化はおよそ70年前からはじまっているのですが、結果の通知、健診事後措置が法律で決まったのが1996年って・・・今や個人情報がどうのと厳しい時代ですが、50年の間、健診したあと、どうしてたんでしょう???

70年前から決まっている労働者の健康診断って、70年後も本当に有効なのでしょうか?


産業構造の変化に法律が追いついていないのではないかとかすべての法律は啓発および行動の習慣化に力を発揮するポテンシャルがあるが、すべからく形骸化する将来を孕んでいるとかという問題については私のライフワークでもありますので、お好きな方にはイヤというほど語りますが、ちょっとだけ知りたい方にはこちらが便利です。


実際に50年の間、やるだけやって放置していたわけではないことを強調しておきますが、この50年で日本が世界にその後も例を見ないほど寿命と経済力を延ばしたことは皆さまご存じの通りですから、寿命と経済力を伸ばすのに健康診断事後措置はさして必要がない、といえるのかもしれません。

バリウムを飲んで何を知りたいのか


皆さんは、何を知りたいですか?

知りたいことがないんだったら、何もかも無駄だからやめませんか?

また、何かを知ったとしても、そのあと生活や行動を何も変えないのなら、それはやっぱり無駄です。

世の中に無駄なことなどない、というのは、無駄遣いを奨励することばではなく、どんな小さな経験も好行動への変容につなげることができるという意味ではないでしょうか。


胃エックス線検査の放射線被曝量は胸部単純写真(いわゆる胸のレントゲン)の150~300倍。繰り返すことで発がんの可能性があります。

検査によって被曝し、貴重な時間を費やし、身体的な苦痛を受け、費用を負担し、個人情報・生体情報を記録されるなどのさまざまなリスクの果てに、知りたいこともない、変えたいこともないっておかしいのではないでしょうか。


バリウムVS胃カメラ


健康診断項目の見直しについて言及すると、「やっぱり胃カメラ(上部消化管内視鏡)のほうがいいんですか?」なんて質問をよく受けます。

「いい」ってどんな意味なのでしょうか。