top of page

低GI食が肺がんリスクを減らす可能性

低GIダイエットは健康的に適性体重を保つのにも、体重を落とすのにも効果的ですが、なーんと、肺がんリスクの増大とも寛解しているらしいです。

低炭水化物ダイエットシリーズ
.pdf
Download PDF • 894KB
肥満はやっぱり分泌異常
.pdf
Download PDF • 357KB

疫学研究なので科学的な関係を突き止めたわけではないのですが、低GIダイエットが普及する理由になることでしょうから、なによりです。

ひきつづき、低GIチョコレートにもご注目下さい。

閑話休題、先日、落語の会で聞いたネタです。

「この前のバレンタイン、誰が一番チョコもらったと思う?」

「うーん、どうせモテモテでかっこいい木村くんでしょ」

「違うの、ダントツで部長だって」

「なんで? あのセクハラじじいが???」

「・・・・・・部長 糖尿病なんだって」

  ヾ(^^ ) 計画殺人か・・・


もし、本気で部長を好きになってしまっても低GIチョコレートなら大丈夫です。

そして、その部長がスモーカーで肺がんリスクが高い場合も、低GIチョコレートなら大丈夫。

低GIシガレットチョコをつくれば、禁煙と告白と低GIという健康三位一体が実現するかもしれません・・・? 研究結果では、特に喫煙未経験者とSCC(扁平上皮がん)で特に高かったようなので、愛のある禁煙行動を迫るチャンスですね。 テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(ヒューストン市)は、新たに肺がんと診断された患者1905人(case)と健常者2413人(control)を対象に研究を実施。 被験者全員にこれまでの食習慣と既往歴 ( self-reported past dietary habits and health histories )を自記式で報告してもらいました。 人の記憶は変わります。 忘れるだけでなく、意図的な嘘ではなくても実際とは異なる報告を誤ってしてしまう可能性も大いにあります。 もちろん、誰だってよく見られたいし、その「よさ」が人それぞれ異なるので、いろんな方向に意図的な修飾も起きてしまいます。 ですから自記式アンケートにはかなりのバイアスが予想されるだろうなあ、と思ったあなたは大正解です。 それでもそんなデータに基づいて、各被験者の食事のGIとグリセミック負荷(GL)を決定し、その後、摂取量に基づいて被験者を5つの群に分けました。

結果、GIが最も高いグループは、GIが最も低いグループと比べて肺がんを発症するリスクが49%高いとわかりました。 この相関は、喫煙未経験者において最も強く、 喫煙未経験者でGIが高い人は肺がんを発症するリスクは2倍でした。 対照的に、喫煙者の肺がんリスクは1.31倍でした。 低学歴(就学年数12年未満)でGIが高い人でも、高い肺がんリスクが観察されました。 出たな、SESという感じですね。 育ちのいい人はよい食生活をしてるし、喫煙習慣も少ないので、どんな病気でもリスクが低いんです。 全部の病気に関係するファクターは、知識・リテラシー、思い込み・きっかけ、そしてSESの3つだけ、と先日、アナライズのT島さんに話したら、でも、SESが高いほうが知識もあるし、思い込みの質もいいよね、と鋭い指摘をしてくれました。 そのとおりなのです。 最高GIグループ内の低学歴ではリスクが1.77だったのに対して、高学歴(12年以上)では1.33でした。  GIと肺扁平上皮がんとの間で特に強い関連性が見られました。 最高GIグループでは、SCCの発症リスクが1.92と2倍近かったのです。 これはIGF(インスリン様成長因子)の増加が扁平上皮がんの発症に影響を及ぼしていることが原因かもしれません。 最近の研究でIGFの増加と肺SCCの関係も明らかになりつつあるところです。 一方で、GLと肺がんリスクの間に相関性は見られませんでした。 これは糖質代謝の「量より質」で 肺がんと関係しているかもしれないと示唆しています。

ちなみに写真の女性が筆頭著者の Xifeng Wu 氏です。 低GIやってるんでしょうか。 コーンフレークはやめとけって書いてるけど、コーンフレーク好きそう・・・ 低GI、やってなさそうなパッと見なんですけど・・・・・・失礼。。。 まあ、日本語だからこのページは読まないでしょう。ごめんね! 非ヒスパニック系白人に限定した自記式アンケートに基づく調査なので、いくつかの制限があるとはいえ、低GI食という健康な人にも取り入れられる好ましい生活を後押しするものなので、私は好きです。 糖尿病、高血圧、心臓疾患を考慮に入れてない、食事摂取に関する調査は後ろ向きに実施、など批判もあるようですが、ひょっとして肺がん予防につながらないかもしれないけど、糖尿病予防や悪化防止には間違いなく効果があるんだから、低GI食を意識しちゃっていいんじゃないでしょうか。 たとえば禁煙した人は、自分が健康行動を選択したことで、健康オタクっぽくなって、酒も控えて、すごく運動するようになるなんてパターンがあるけど、食事のGIが高い傾向のせいで、結局肺がんになっちゃったりしたら、イヤですよね。 低GIの弊害(好きなものが食べられないなどの心理的なものではなく、医学的な有害事象)はあまりないと思うので、メニューを迷ったときは低GIにするくらいはとりいれられるかしらん? 交絡因子を除外するため、あらゆる人種を考慮した前向きコホートを組むことや、 生化学的なGI→SCCのメカニズムの解明を進めていくそうです。 がんばって下さい。 Dietary glycemic index linked to lung cancer risk in select populations

閲覧数:12回

最新記事

すべて表示
bottom of page